交際倶楽部では男と女の在るべき姿を見ることが出来るのかも知れません

私は出会い系サイトでのガッカリとした欲求不満な状況を、何の気無しに聞いた同僚の捨て言葉に活路を見出していた。

秘密の交際倶楽部があり、部長が毎夜の終電に乗り遅れソコから訪れる女性とイイ関係になっているという噂だった。

例のコノ町の名を冠する交際倶楽部のことだ。

今夜こそは、内緒で買った万馬券での20万円もあることで太っ腹の気分で、交際倶楽部の門をたたくことにした。

もちろん最初にちゃんと交際倶楽部の口コミで下調べはばっちりだ。

門をたたくとは言ったが、実際はインターネット上にある秘密(というわけでもなくちゃんと認可されたものであります)の女性紹介サイトだ。

取り敢えずは、会員登録として個人情報を晒すのが好きではない性分なので、嫌々ではあったが免許証を提示して思った以上に登録はスムーズに出来た。

只、やはりこの様な会員制のクラブはブルジョワ的というか、ある程度の収入がないと遊ぶのも苦しくなってくるのも予想されたので、妻には内緒のヘソクリを準備しての参戦だった。

私の登録したサイトでは、ドッキリ企画としてリーズナブルな枠を紹介してもらっていて、とは言え安っぽい雰囲気は全く無く、豪華に飾られたシルエットを選ぶのだが、紹介して頂いたのがとても可愛い童顔と言ってもいい程の幼顔の女性だった。

彼女は女子大生と言っていたが、その物腰には何処か家庭を匂わせるものを感じていた。

顔と態度のミスマッチが神秘的に彼女の魅力を高めていたが、この夜は彼女との体の交際をする気が全く起きなくて食事と行きつけのバーでの一杯だけで別れることになった。

次の約束を取り付けての余裕の別れも良いもので、何だか自分が偉いステータスを持つ身である幻想に浸りながら家路についた。

家では家内が夜食をどうするかと聞いたので、茶漬けを一緒に食べたのだが、妻への罪の意識が滲み出てくる思いに汗が背中を伝って座布団が湿っているのに御免と呟いていた。

そんな昨夜の懺悔など忘れたかのように、翌朝からのワクワク感は学生時代への回帰を楽しみながらの出社が、自分の罪深さの意識に出て来る間を与えなかった。

妻よ、御免。

許せ、我が恋女房よ。

全く勝手なのが男というものであり、その構造が社会の潤滑的な流転に寄与するのではないかと、今更ながら男の社会における役割分担を、一方的優越感で覆いながら納得するのであった。

さて、この夜に彼女と逢って、激しく燃えながらも恋女房を想うという二律背反的な心情を後々分析する自分を考えると、更なる優越感が湧き上がってきたのであった。

奥さん本当に御免ね。愛してるんだよ。理解ってね。

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